早朝鴨川を出発したボランティアチームが、目的地に到着したのは午後2時を過ぎていました。
マイクロバスを降り、作業着に着替えて直ぐに作業開始です。
瓦礫の撤去と並行して、アスカチームは地域の緑化作業。
安房なのはな隊さんは樹木の伐採作業に従事しました。
広大な土地を「ひまわり」で一杯にしたい 様々な支援者から贈られたひまわりの種を、数人で手分けして蒔きます。
横に根が張る雑草に阻まれ、なかなか土を耕せません。
しかも土中には、まだまだ陶器の破片やガラス、食器などの欠片(瓦礫)が数多く埋まっており、それを撤去しながらの作業です。
48ヘクタールの土地を花で一杯にしたい。
理由は、人口流失によって町(故郷)そのものを失いたくないからです。
周囲に多くの仮設住宅が建ち、住民は避難所から移動しています。
漁業と観光が主たる産業であった十三浜地区。
現在の状況では、特に観光産業の復活は相当な時間がかかるでしょう。
仕事と収入が途絶え、仮設住宅の中で不自由な日々を送る被災者は、新たな生活を求め、住み慣れた故郷から1人、また1人と離れているそうです。
故郷が消えてしまう。
支援先の長塩谷。
たった1棟だけ残った住居代わりの倉庫の中で、被災者のS氏は希望の灯を灯し続けています。
灯りが無ければここが町だった事など分からなくなる。
ここは私の、私の家族の、私の幼なじみ達の思い出が一杯詰まっている大切な場所なんです。
私まで居なくなればこの土地には誰も訪ねて来なくなります。
ここに花を植えることは、まだ人が住んでいるぞ!って伝える為なんですよ。
消してはならない灯りです。
S氏はそう話してくれました。
アスカチームが瓦礫撤去と畝作りに悪戦苦闘している頃、安房なのはな隊メンバーは、津波を被って立ち枯れてしまった樹木の伐採に取り掛かっていました。
視界に入る周囲の木々。
その中には、赤茶色に変色した杉などの大木が数多く見られます。
今回はS氏の要請により、北側の斜面に立つ巨木を切り倒します。
今回参加した安房なのはな隊さんメンバーは、山仕事経験のあるベテラン揃い。
素人では到底不可能な伐採作業を、斜面の角度や木の特性なども計算した上で、テキパキ作業をこなして行きます。
合理的でパワフルな作業に、作業を見ていた地元の方々からも、 うわ~ スゴイ!! と歓声が上がります。
前回の支援活動で伐採作業を経験しているアスカメンバーも加わって、重作業は薄暗くなるまで続きました。
2日目の模様は、次回ブログでご紹介します。